耳垢

耳鼻科のびょうき「耳垢」

耳の穴の入り口から鼓膜の手前までのトンネルの部分を外耳道と言います。外耳道は皮膚なので、当然皮膚からは垢が剥がれ落ちて耳の中にたまります。これが耳垢です。また外耳道皮膚には皮脂腺があり、ここからです油成分が湿った耳垢、いわゆる飴耳あめみみを作ります。

ちなみに耳垢が湿っているか乾燥しているかは遺伝で決まっており、日本人の7割が乾燥型と言われています。遺伝的には湿った耳垢の方が優性遺伝です。耳のきれい汚いは耳垢の性状とは関係がないのです。

最近よく言われるようになりましたが、耳垢はよっぽどのことがない限り掃除する必要はありません。耳垢はあるのが普通なのです。我々耳鼻科医は鼓膜を観察する必要があるので耳垢を取り除きますが、そういった目的でもない限り耳掻きはしなくて構いません。耳掻きは外耳道を傷つけてしまい、感染の元になるのでむしろしてはいけないという人もいるほどです。

まあ、耳がかゆいことはよくありますし、耳掻きはすると気持ちがいいので、私自身も耳掻きをしてしまうことはよくあります。なので偉そうなことは言えませんが、耳掻きはしない方がいいというのは確かです。

耳垢が詰まってしまう耳垢栓塞(せんそく)という病気があります。耳垢が詰まって外耳道がふさがってしまう状態です。耳の穴が詰まるので音が聞こえにくくなります。こうならないために耳掃除をした方がいいと思うかもしれませんが、実は逆で、綿棒などで耳掃除をするとかえって耳垢を奥に押し込んで詰まってしまいます。耳掃除が原因で耳垢栓塞を起こしてしまうわけです。こうなると普通の耳掻きでは取れないため耳鼻科で除去しないといけなくなります。耳掻きはほどほどにしましょう。