人工内耳

耳鼻科のびょうき「人工内耳」

人工内耳という言葉を聞いて、皆さんはどんな印象をお持ちになるでしょうか。イメージがわかないという方がほとんどではないでしょうか。実は人工内耳は耳鼻科医ならいざ知らず、それ以外の医者でも誤解が多い事柄なのです。

補聴器も効果がないような重度の難聴の人に対して人工内耳と呼ばれる機械を手術で埋め込む治療です。内耳は空気の振動を電気信号に変換して神経に信号を送る器官ですが、人工内耳は機能を失ってしまった内耳の代わりに直接電気信号を神経に送る機械です。

人工内耳手術を行う人は、聴力が完全に喪失した人に限られます。両耳とも全く聞こえない人が対象です。どちらかの耳に少しでも聴力が残っていれば補聴器が使えるので人工内耳の手術が行われることはまずありません。
何故ならば人工内耳は大掛かりな手術が必要だからです。全身麻酔が必要なので、体に負担がかかりすぎるのです。また人工内耳は字のごとく人工物なので、体にとっては異物です。異物を体の中に入れるのはそれなりに危険が伴います。

最後に、人工内耳をいれても今までのように普通に聞こえるわけではないということです。ここが誤解の多いことなのですが、人工内耳を入れて聞いた音はこれまでと全く違う音が聞こえるそうです。人工内耳を入れても元の聞こえに戻るわけではないのです。